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もしかして中国人によるFX投資詐欺?手口や被害に遭ったときの対処法を解説!

FXは「外国為替保証金取引」のことを指し、保証金をもとに日本円を外貨に交換し、為替の変動に合わせて交換した外貨を日本円に戻して差額を収益として得る金融取引です。

近年のコロナ禍の影響もあり、経済不安から投資を始める人が増えている中で「中国人によるFX投資詐欺」が急増していると言われています。

中国人によるFX詐欺の手口や特徴と、被害にあった時の対処法について解説しますので、FX詐欺に遭わないようにぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

  • 中国人によるFX詐欺の最近の事例
  • 中国人によるFX詐欺の手口
  • 中国人によるFX詐欺被害に遭ったときの対処法
  • FX詐欺被害に遭わないためにできること

中国人によるFX詐欺が横行している?!最近の事例


近年増えているFX詐欺の中でも、中国人による犯行が急増していることがメディアにも多く取り上げられて社会的に問題になっています。

最近報告されている中国人によるFX詐欺の以下に挙げた3つの事例から、身近に潜むFX詐欺の危険について見ていきましょう。

中国籍の女性にFX投資詐欺で1億5000万円だまし取られた事件

【被害者:50代、男性、山梨県在住】

SNSの交流サイトで中国籍を名乗る女からFXへの投資を持ちかけられた事例です。

中国籍の女性からSNS内のメッセージで「毎週数万ドルの外貨を稼げる」、などと持ちかけてFX投資に勧誘され、その約1週間後には女性の親族と名乗る中国の有名大学教授を自称する男も紹介されていました。

約4ヶ月の間で計1億5402万円をだまし取られた
被害者男性は投資資金の名目で約4ヶ月の間に19回にわたって計1億5402万円を振り込んでいます。

振込先の口座は、中国人女性の親族と名乗る男性が指定した銀行口座だったことがわかっています。

美女を装った中国人グループによってFX詐欺に遭った事件

【被害者:50代、男性、兵庫県在住】

タイを拠点にした中国人グループが、日本人男性に偽のFX口座に入金させてお金を騙し取った、という事例です。

男性は海外の出会い系アプリで知り合った中国人女性とすぐにLINEでやり取りするようになり、毎日欠かさず連絡を取っていましたが、3週間経過後にFX投資に誘われ、「アカウントマネージャー」と名乗る別の人物を通じ口座を開設しました。

500ドルを2回振り込み、相手のアドバイスで利益を出していた中で男性に急遽まとまったお金が必要になり、中国人女性に出金を依頼したところ、突然一切の連絡がつかなくなり口座の残高が0円になっていました。

この男性は同じアプリで出会った別の女性からも同様にFXに誘われ口座を開設し、500ドル振り込んだものの口座が操作できなくなったそうです。

この事例で摘発されたのは、20人以上の中国人グループで日本語を全く話せないメンバーがほとんどでした。

やり取りには翻訳プログラムが使われていたようで、日本語でのやりとりが不自然だった理由が判明したと男性が語っています。

マッチングアプリで知り合った中国人によってFX詐欺に遭った事例

香港在住の中国人女性とマッチングアプリで出会い、LINEでのやり取りに移行しFX投資に誘われて1000万円騙し取られた事例です。

無料で利用できるマッチングアプリで出会った中国人女性は「シングルマザー」を名乗る美人だったそうです。

自分がFX投資で利益を上げていることを示した上で、「叔母が投資会社を経営しているのでノウハウがわかるからあなたにも教えてあげる」と誘って、実際に無料で使えるFX取引ツールの「MT4」と紐付けする口座のリンクが送られてきたため、信用して100万円入金したところ利益が出たため言われるままに複数回入金し、合計1000万円騙し取られてしまいました。

この事例では、実際に使える有名な無料FX取引ツールを利用していると見せかけたり、アドバイス通りに取引すると利益が出るものの、自分の判断で取引すると損害が出ていたことが詐欺師を信用して入金額が増えていった理由と考えられます。

中国人によるFX詐欺の手口とは


中国人によるFX詐欺では、出会いのきっかけからお金を騙し取った後の行動まで全てが仕組まれている可能性があります。

組織的なグループ犯罪では、「詐欺マニュアル」などが用意されていることもあり、かなり巧妙な手口が使われています。

以下の7つの手口は代表的な中国人によるFX詐欺の手口ですので、参考にして騙されないように注意しましょう。

マッチングアプリやSNSで知り合う

日常生活の中で中国人と出会って親密になるという機会はそうそう多いものではないでしょう。

しかし、コロナ禍の影響によりインターネット上のコミュニケーションが当たり前になってきている近年、SNSやマッチングアプリの利用者が急増しています。

インターネット上では世界中の人とリアルタイムでコミュニケーションが取れるため、中国人との出会いも不思議ではありません。

そういった背景の下に、マッチングアプリやSNSを利用した中国人によるFX詐欺が増えている現状に併せて、以前から中国人美女による詐欺被害が多く見られており、国民生活センターへの相談が増えています。

もちろんSNSやマッチングアプリを利用している中国人全てが詐欺師ではないため、出会いのきっかけのみで詐欺師と判断せずに他に当てはまる手口があるかをしっかり確かめましょう。

すぐにLINEに誘導してくる

近年のSNSやマッチングアプリを利用した詐欺犯罪の増加に伴い、SNSやマッチングアプリの防犯対策が厳重化傾向にあります。

そのため、登録に身分証の提出が必要だったりプロフィール写真と身分証が一致しない場合はチェックが入るなど、登録時の安全強化の他にもメッセージのやり取りを自動で監視しするシステムを導入しているマッチングアプリが増えています。

FXの勧誘や振込を依頼するようなメッセージには警告アラートが出たり、運営から削除されたりアカウントを強制消去されることもあります。

そのため中国人FX詐欺師はアカウントを削除される前に、なるべく早い段階でLINEに誘導しFX取引と称してお金を騙し取る段階に移行したいのです。

中にはプロフィール上にLINEのIDを載せているケースもありますが、これは明らかに詐欺やその他の悪質な犯罪に関わるおそれがありますので絶対にコンタクトを取らないようにしましょう。

経営者などを名乗り裕福な生活を送っていることをアピール

SNSやマッチングアプリではアカウントの経歴はいくらでも詐称できますし、LINEなどでメッセージのやり取りをしているだけでは、相手の本当の素性はわからないものです。

中国人FX投資詐欺師のアカウントには、裕福な生活を送っていると想像できる写真が使われていることが多く、職業を経営者や投資家と名乗っているケースが多いという特徴があります。

高級ホテルでパーティしている写真や、いつも違った高級ブランド品を身につけているなど、「セレブな生活」を送っているように見せかけることで「こんな生活が一緒にできたら」と期待させているのです。

毎日のように裕福な様子の写真を送ってきて、「私のいう通りに取引すれば必ず儲かる」「この生活は少額ではなく大きな金額で取引しているから」と、どんどん高額な投資をすすめてくる場合は注意が必要でしょう。

FX投資で儲けている話や親族が投資に詳しい話をしてくる

マッチングアプリやSNSで知り合った中国人とメッセージのやり取りをするようになって、突然FX投資で儲けている話や親族が投資に詳しい話をしてきたら要注意です。

「実はFXをやっていて今日はこれだけ儲かった」などと取引結果のスクショを送ってきたり、「身近に以前金融で働いていて投資会社を自営している身内がいる」などと話してくることが多く、頼んでいないのに砥石に詳しい人を紹介しようとすることも特徴です。

投資や副業に興味を持っている人は、肯定的に反応してしまうためそこを見逃さずにつけ込まれてしまう可能性が高く、気づいたときには出会ったはずの中国人とは連絡が取れなくなり、代わりに投資に詳しい別の人間に毎日入金を迫られるようになるとも限りません。

投資で利益を出す方法を簡単に他人に教える、と持ちかけるのには裏があると肝に銘じて安易に話に耳を傾けないようにしましょう。

アプリでのアカウント作成やFX業者の口座開設を進められる

FX取引では「自動売買ツール」といって、条件を細かく設定しておけば自動で売買が完了できるツールを利用でき、常に変動する為替を見るのが難しい人にとっては利用価値があります。

しかし、自動売買ツールと称して偽のアプリにアカウントを作成させる詐欺は、以前より多く見られることや自動売買ツールは設定が難しく、初心者が利用するにはハードルが高いためよく勉強してから検討することをおすすめします。

また、偽物のFX業者の口座を開設させられて、入金したお金がいつの間にか消えているといった詐欺もあり、個人情報を盗まれて不正利用されるケースとして注意が必要です。

日本におけるFX取引業者は金融庁に登録が必要なため、金融庁のHPで業者名を検索すれば登録事業者か判断できます。

口座開設をすすめられた際は必ず送られたリンクではなく自分で業者のを検索して偽物ではないか見極めましょう。

儲けを出金しようとしてもできない

中国人によるFX詐欺においては、信頼を得る目的と投資額を増やしたいとターゲットが自分で思うように、FX取引を始めてからしばらくのは順調に利益が出るように仕組まれている手口が多いのが特徴です。

専用の取引口座を開設させ、実際は取引していないものの取引時間や内容を細かく指定することで順調に利益が上がっているように見せかけ、さらに利益を得るための資金が必要と入金するよう指示してきます。

出金したいと要求しても、「一定額利益が出ないと出金できない」、「今出金したら今後の利益が見込めなくなる」などといって出金できなかったり、「出金には税金が必要」とさらにお金を要求されることがあったら詐欺だと思って間違い無いでしょう。

相手と連絡が取れなくなる

中国人によるFX詐欺では、目的はひとつで「お金を騙し取れるだけ取る」ことです。

そのためターゲットからこれ以上お金が取れないとわかると、突然連絡が取るのをやめて姿をくらましてしまいます。

LINEは匿名性が高く、個人を特定するのは難しくアカウントが削除されてしまった後では連絡がつかないため、相手の身元を調べるのも難しいでしょう。

FX詐欺師は毎日数十件以上メッセージを送ってくることが多く、「まさか連絡が取れなくなることはないだろう」と安心してしまうため他の連絡手段を聞かないという傾向を逆手にとって身元を隠していますので、一度連絡が取れなくなったらもう二度と連絡が取れない可能性が高いでしょう。

中国人によるFX詐欺被害に遭ったらどうすればいい?


中国人によるFX詐欺被害に遭ってしまったら、まずは落ち着いて状況を整理しましょう。

パニックに陥った状態では詐欺被害の内容や流れが相談相手にうまく伝わらず、むやみに時間を浪費してしまうかもしれません。

詐欺被害の回復にはとにかく早い対応が必要なため、被害について説明できるように情報を整理してから以下の中から自分に合う相談窓口へ問い合わせましょう。

FX投資詐欺に強い弁護士に相談するのがベスト

中国人によるFX詐欺の場合、詐欺師が組織的なグループ犯で海外に居住している可能性が高いため、身元を割り出すことも難しく、自分で返金しようとしてもまず不可能です。

FX詐欺の海外事案に精通した弁護士に相談するのが被害回復へのベストな選択と言えるでしょう。

海外のFX詐欺師や悪質な取引業者についての情報を持っている弁護士や、相手の身元が判明した際に居住地の警察に協力要請できるネットワークを持つ弁護士などに相談することをおすすめします。

海外のFX詐欺事案に精通している弁護士は、相談実績が多いため詐欺師の手口や行動パターンが予測できるため、スピーディに対応してもらえるでしょう。

弁護士は費用が高額になるのでは?と不安に思う方もいるでしょうが、無料相談を受け付けている弁護士も多いためうまく活用しましょう。

警察に被害届を出す

FX取引に誘ってきた中国人と連絡がつかなくなり、入金してしまったお金は跡形もなく消えていたという状況では、FX詐欺にあったと考えてまず間違いありませんが、自分で「詐欺被害に遭った」というだけでは事件にはならず、犯人が逮捕されることも望めません。

詐欺事件として捜査してもらうためには「被害届」と提出し、お金を騙し取られた事実を包み隠さず報告する必要があります。

被害届が提出されなければ警察は捜査ができないため、詐欺師の逮捕や逮捕後に刑罰を望む場合は被害届を提出し、捜査してもらえるよう働きかけましょう。

詐欺事件は立証が難しいためすぐに捜査してもらえないと言われていますが、被害届を提出しておけば時効にならない限りいつでの捜査される可能性がありますので、最初から諦めずにまずは被害を報告する目的として被害届を提出しましょう。

国民生活センターへ相談

独立行政法人の「国民生活センター」には毎日FX投資詐欺について数多くの相談が寄せられており、相談件数を見てみると2019年には751件だったのに対し、2021年には3023件と2年間で4倍以上に増えています。

国民生活センターでは、専門の相談員が公正な立場で相談に乗ってくれますので安心して相談できます。

相談に対し具体的に犯人逮捕や返金請求などは行えないものの、相談件数が多いことから似ている過去事例を参考にアドバイスを受けられることや、弁護士の探し方についても聞けますので全国共通の消費者ホットライン「188」を有効活用しましょう。

相手が海外にいるなら越境消費者センターに相談

国民生活センターにおけるFX投資詐欺についての相談には、消費者ホットライン188以外にも「国民生活センター越境消費者センター(CCJ)」を利用するという方法があります。

越境消費者センターでは、中国人によるFX詐欺のような解決困難なトラブルの概要や消費者へのアドバイス等をわかりやすく解説した相談事例集を公開するなど、消費者への啓発や注意喚起を実施するとともに、実際に被害に遭った人からの相談も受け付けています。

海外の消費者相談機関と連携し、日本の消費者と海外の事業者のトラブル解決のためのアドバイスが受けられるため、相手が中国人で日本に居住していない場合は越境消費者センターに相談することをおすすめします。

まだ被害に遭っておらず疑いの段階なら#9110へ電話

FXに誘われた相手が中国人であり、口座開設はしたものの入金するか迷っている、といったまだ実際に被害に遭っていない疑いの段階であれば、「#9110」という「警察相談専用電話」がおすすめです。

警察へ直接電話で相談ができるため、警察署に出向く必要がなく時間を指定されることもありませんので都合の良い時間に相談しましょう。

#9110は全国共通のダイヤルで、全国どこからかけてもその地域を管轄する警察本部などにつながるため居住地以外からでも相談できます。

専門の相談員が対応してくれて直接アドバイスがもらえる場合もありますが、専門の担当部署を紹介されるケースもありますので
自分の今の状況を詳細に説明し、被害に遭わないようしっかり対策しましょう。

中国人によるFX投資詐欺被害に遭わないためには


FX投資詐欺は詐欺師の身元特定が難しいことや、騙し取られたお金がすぐに移動されたり使われてしまうことから、被害回復が非常に難しい犯罪とされています。

そのため被害に遭う前に、怪しい中国人との接触を避けることや以下に挙げる対策をしっかりとっておきましょう。

是非自分の身を自分で守るための参考にしてください。

少しでも怪しいと感じたらやり取りしない

「君子危うきに近寄らず」ということわざがありますが、賢い人はいつも慎んだ行動をし、危険はおかさないという意味で教訓落としてよく使われます。

中国人のFX詐欺被害に遭わないためには、まさにこのことわざの通りにするべきでしょう。

SNSやマッチングサイトで知り合った中国人に投資をすすめられたり、「FXの必勝法を知っている人を紹介する」と言われて紹介された人に取引を指示されるなど、中国人FX詐欺師には怪しいと感じるポイントがいくつもあります。

相手はプロの詐欺師ですので、「もしかしたら本当に儲かる方法を教えてくれるかも」、「投資を始めたら恋愛関係になれるかも」という期待を持っていると見透かされてしまい、全財産を騙し取られる危険があります。

詐欺被害に遭わないためには、怪しいと思った時点でやり取りをやめて連絡が取れないように相手をブロックすることが大切です。

取引前に金融庁へ登録されているか確認

中国人FX詐欺師が入金するように誘導するのは、本物に見せかけた偽のFX取引事業者や投資アプリのことがほとんどで、ぱっと見は偽物とわからないように巧妙に作られています。

入金の際には偽の事業所などのURLが送られてきて、「特別な人しか使えないため、必ずこのURLから入って入金するように」などと指示されて入金するケースが多く、これには偽物と見破られないための方法です。

日本でFX取引を代行するためには、事業所として金融庁への登録が必要なため、金融庁のHPで事業所の名前を検索すれば正規の取引業者か偽物かがすぐにわかります。

特定の事業者での取引を指示されたら、相手の言葉を鵜呑みにせず一旦自分で調べて安全かどうか確かめるようにしましょう。

あまりにもおいしい話は疑う

「絶対に儲かる方法を知っている」、「このツールを使えば自動で給料と同じくらいに利益が手に入る」など、あまりにもおいしい話を誘い文句にFXをすすめられたら、詐欺のターゲットにされているかもしれないと疑いましょう。

FXは少額の保証金でも倍率の設定で高額な取引ができるため、1回の取引で高い利益を狙える反面大きな損害が出る可能性があります。

為替は常に変動しているため、値動きを予測するのは簡単なことではありません。

そのため「絶対勝てる」などという甘い言葉につい乗ってしまいそうですが、FXに「絶対」はありません。

あまりにおいしい話には裏があることを忘れないようにして、メリットだけのおいしい話は疑って安易に賛同しないようにしましょう。

まとめ


FXによる投資は国が認めているものであり、FX自体が詐欺ということはありません。

しかしながら、FX投資でお金を稼ぎたいという気持ちを悪用してお金を騙し取る詐欺師が多く存在する、という事実がありますのでFX投資を始めるにあたっては十分注意が必要です。

SNSやマッチングアプリで知り合った中国人からの誘いがあったら、メリットばかりでデメリットがない話をしていないか、すすめられた取引事業者は金融庁に登録されているかなどをしっかり確かめて、少しでも怪しいと思ったらそれ以上関わらないようにしましょう。

FX投資詐欺は被害に遭ってしまうと回復は非常に難しいため未然に防ぐことが最も大切ですが、もし被害に遭ってしまったらなるべく早い段階で中国人によるFX投資詐欺に精通した弁護士に相談しましょう。